オリオ・マローニ社 訪問記

高級なオイルはもちろん美味しいけれど、僕はむしろ、オリーブオイルをもっと日常的に、身近なものとして使ってほしいんだよ。

イタリアの食事は、ごくごく日常的な物がすごく美味しいと思います。il Biancoを開業するにあたり、高級オリーブオイルの他にも、日々の食事に気軽に使っていただけるような、比較的廉価で、かつ、丁寧に作られた高品質オリーブオイルを探していたところ、私たちのパートナーであるジャンルッカさんにマローニ社を紹介してもらいました。彼は子供の頃からこの味に慣れ親しんでおり、今でも彼の奥さんアンジェラは、このオイルを使って料理をします(余談ですがアンジェラの手料理はすばらしく美味しく、10年前にはじめてご馳走になった、ラグーのパスタを食べた時の感激は未だに忘れられません。彼女のおかげで、普通のイタリア家庭の食卓に強い興味を持つようになりました)。アンジェラのようなイタリアのマンマ達が買い求めるマローニのエクストラ・バージン・オリーブオイルは、フィレンツェの中央市場や、市内の小さな食料品店で見つけることができます。

文:加藤昭広(イル・ビアンコ)

キャンティの片田舎にマローニ社はあります。

従業員4名の小さなオイルメーカーであるマローニ社は、フィレンツェからシエナに向かう高速道路に乗り、シエナの手前数キロのところにある、モンテリッジョーニ(Monteriggioni)という、王冠のような形の要塞を頂いた小高い山の近くの町にあります。私はこのすぐ近くのレストランでコックとしてしばらく働いていたこともあるので、よく知っている懐かしい場所なのですが、すごく小さな町で、最寄り駅はカステッリーナ・イン・キャンティ(Castellina in Chianti)といいます。

モンテリッジョーニ(Monteriggioni)。王冠のような要塞を頂いています。その昔はシエナの要塞でした

ほぼ無人駅で、電車は1時間に1~2本くらいだったと思います。正確には駅員は駅舎の2階にいるようなのですが、駅舎には窓口らしきものは無く、切符はたばこ屋かBAR(カフェ)に行かないと買えません。駅前には、そのBAR(カフェ)が一軒、あと雑貨屋などが数軒と、郵便局に小さなスーパーマーケットが一軒。タクシーは半径20kmくらいに一台だけ、必要な時には駅に貼ってある携帯電話番号に電話をして呼びます。こんなのんびりした町です。

ほとんど無人駅のカステッリーナ・イン・キャンティ(Castellina in Chianti)

駅舎の2階には人の気配がするのですが、駅員らしき人を見かけた記憶がありません